
こちらのページでも解説してありますが、現代人は環境の影響を強く受けています。これには外的要因と内的要因の2種類があり、前者には仕事環境・生活環境・気候環境など様々な要因があります。
なかでも気候の影響を受ける方が最近多くなっています。現在の地球環境はとにかく気象変化が激しい状態が続いています。たった一日で季節が逆転することも珍しくありません。
動物実験において、気温の変化が痛みを増強させることが確認されています。反復寒冷ストレス(SARTストレス)という実験(ラットやマウスを1時間おきに室温(24℃)と冷室(-3℃~4℃)に交互に入れる)を4~5日続けると、その後2~3日間痛みの閾値がずっと低下したままになることが分かっています。
私たちはかつて経験したことのない気象変化に日々さらされています。こうしたなか、とくに気温や気圧の変化によって体調を崩される方が本当に多いのです。体調の変化は生体の弱点に現れやすいので、もともと痛みを抱えている方では痛みそのものが強くなります。
他方、内的要因としては免疫力や代謝機能の低下といった原因により、やはり生体の弱点に症状が現れてきます。たとえばウィルスに感染すると、免疫系が発動して体内のウィルスを封じ込めようと代謝機能がフル回転します。このとき、たまたま何らかの精神的ストレスや暴飲暴食が重なると、代謝機能に大きな負担がかかります。その結果免疫システムが悲鳴を上げることになり、生体は相応のダメージを負います。それが皮膚の発疹、口内炎、下痢、もともとある痛みの増悪などといった形で、生体の弱点に現れるのです。
こうした変化は「自分の体調が落ちていることを知らせてくれるサイン」です。それを感じることによって「今日は体調が良くないから早めに帰宅しよう」「明日の買い物は来週に延ばそう」と、身体をいたわることができます。痛みは体調の善し悪しを知らせてくれるサインと考えて、上手に利用すれば悪いことばかりではありません。
全ての物事には光と影があります。影に意識が集中すると人生は辛いだけのつまらないものになってしまいます。ちょっと見方を変えるだけで世の中が違って見えることもあります。なるべく物事のいい面、光の部分に焦点を合わせて過ごすようにしてみてください。
また「心のありよう」も痛みに影響を与えるということも知っておいて欲しいと思います。
末期がんにおけるモルヒネの使用量は入院中の患者さんと在宅の患者さんでは全然違うというデータがあります。在宅の方が少なくて済むのです。環境によって心のありようが変わるからです。
心と痛みは切っても切り離せない関係にあります。心が折れると身体も折れます。心が傷つくと痛みが強くなります。心の持ちようで体調はいかようにも変わってしまうのです。
せっかく良くなっていた症状がぶり返すと、誰でも不安な気持ちになります。ですが、そのことで必要以上に感情を発動させる(気分を落ち込ませて悲観的な気持ちになる)と、さらに痛みが強くなるという悪循環に陥ってしまいます。痛みのために気分が滅入ってきそうになったら、好きなことや楽しいことに意識を向かわせて心が折れないようにしてください。自分の意識を身体の内側に向かわせないことが一番大切です。
旅行が好きな方であれば、旅行雑誌や旅行会社のパンフレットを眺めて想像してみてください。園芸、陶芸、絵画、美術、音楽、子供、お孫さんなど好きなことなら何でもかまいません。やり方はいっしょです。とにかく好きなことに意識を集中させるだけで心のありようが変わります。すると不思議なことに痛みも変わります。“幸福の記憶”はお金のかからない鎮痛剤だと思って下さい。
そんなあなたに質問があります。治ったら何がしたいですか?治った後にはどんな生きがいや楽しみが待っ
ていますか?ぶしつけな質問ですみません。でも、治るまでの時間というものを考えたとき、これはとても大事なことなのです。このような質問を向けると「すぐに答えが浮かぶ人」と「答えに窮する人」がいます。あなたはどちらのタイプですか?
すぐに答えが浮かんだという人は何の心配もありません。もうすぐ必ず良くなります。大丈夫です。
どうぞご安心ください。その代わりひとつだけお願いがあります。日々の生活の中でなるべく「その楽しいことをしている自分、好きなことに夢中になっている自分」を具体的に思い描いて、毎日その姿をイメージし続けて欲しいのです。それだけをひたすら思い続けて欲しいのです。それを実行さえして頂ければ治るまでの時間は飛躍的に早まります。人の思いは現実化します。人の思いが人生を作っているのです。
一方で「答えがすぐに思い浮かばない」というあなた。おそらくあなたの答えは「治ったあとのことなんて考えられない。この苦痛を何とかして欲しいだけ。とにかくこの痛みを消して欲しい」というものでしょう。確かにそのお気持ちはよく分かります。それでは質問を変えさせていただきましょう。
「今のあなたにとって生きがいは何ですか?」
するとあなたは少しの間沈黙し、やがて目を見開いてこうおっしゃいます。
「この痛みを治すことが私の生きがいです」
そうなんです。今のあなたにとってはまさにそれこそが全てなんですよね。ということは、今のあなたは日々何を考えて暮らしていますか。健康番組を見たり、健康雑誌の「名医シリーズ」に目を通したり、友達から薦められた整体院のホームページを見たりして、そういった情報に日々アンテナを立てて自分の身体のことばかり考えていませんか?
人は自らの意識を内側に向け続けるとやがて脳は自己チェック機能を強化し、必要のない情報まで拾うようになります。すると通常であれば感じなくてすむような身体の些細な違和感を逐一感じるようになり、こうした感覚にまた脳が反応し、さらに自己チェックが強化されるという悪循環に陥ってしまうのです。こういう状態が長く続くと免疫力や代謝レベルが低下し、治りが遅くなってしまいます。
このような方の場合、少し見方を変えるだけで快復が早まります。必ず良くなると信じて、あなたが健康に暮らしていたときの記憶や感情を呼び覚まして欲しいのです。そうすれば、あなたの人生において本当にやりたいこと、楽しいこと、嬉しいことが見えてきます。見えてきたら、またそこに意識を集中させてください。そうして前述した「答えがすぐに浮かぶ人」へのアドバイスと同じことをあなたにも実践していただきたいのです。
それを続けていけば必ず身体は変わります。意識の変化がすべての細胞に作用して眠っている遺伝子のスイッチを入れるからです。とくに言葉と思いは大切です。ふだんから自ら発する言葉には気をつけて下さい。悪い言葉を使えば悪いことを引き寄せます。「このままずっと治らないんじゃないか」と言えば、本当に治らなくなります。
心地いい思いを抱けば心地いいことを引き寄せます。「治ったあとは大好きなガーデニングをしよう」と思えば、実際にそうなるのです。
「言葉」や「思い」はとても大事です。ふだんからそういうことを心がけるだけで快復が早まるということを知っていただきたいと思います。