【痛みのメカニズムに迫る新たな解釈−過去の体験・記憶に基づく脳内補完と痛みの記憶回路(機能的ニューロン集団/セル・アセンブリ)の再生理論】三上クリニカルラボ−形態学上の診断と痛みの原因診断を切り離す視点の重要性を提起し、痛みの概念にパラダイムシフトを齎すBFI−
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リハビリテーション≪脳の可塑性とCRPS(RSD)について≫

リハに伴う痛みや脱力をどう捉えるべきか
かつて昭和の時代は、リハに伴う痛みは不可避の過程であって、気合や根性で乗り切るのが当然という風潮がありました。関節機能や痛みの感受性等を慮ることなく、まるで錆び付いたレバーを力づくで廻すような手法が当たり前のように行われていたのです。

しかし関節運動学がリハビリテーション医学に導入されたのを機に、現場意識の変革がおこり、今となっては「痛みを発生させないリハの重要性」を理解する医療者は確実に増えています。

とくにCRPS(RSD)の問題が認知されて以降は、痛みを発生させ得るあらゆる医療行為(注射、点滴、手術、骨折や脱臼に対する無麻酔下の徒手整復、強刺激の手技療法、暴力的な矯正術等々)に潜む危険性をはじめ、CRPS(RSD)の予防の観点からも、そして発症後の治療の観点からも、リハに伴う痛みを肯定的に捉える医療者は少数派であろうと推察されます。

CRPS(RSD)については後ほど詳しく述べますが、あらゆるリハにおいて、痛みや脱力は最大の阻害因子となり得ます。たとえば以下のようなケースです。

■他動運動の際、顕著な痛みがある。
■可動域訓練の際、痛みを訴える。
■筋力増強運動の際、強い痛みを感じ、運動後も消えない。
■リハが終わったあと、患部または患部以外の場所に痛みが出る。
■リハが終わったあと、患部または患部以外の場所に脱力を感じる。
■リハが終わったあと、全身のだるさや疲労感を強く訴える。
もし上記のいずれかに該当したなら、その患者さんの脳の働き−神経ネットワークの不調(脳代謝バランスの乱れ)−に目を向ける必要があります。


脳の可塑性を促すという視点
脳の情報処理システムは膨大な神経ネットワークの複合的かつ同期的な働きによって成立していることが近年の認知神経科学によって示されています。

さらに、ある情報を表現する個別の神経ネットワーク(情報処理システム)に働きかける、すなわち脳の可塑性を促すことで従来の常識を覆す様々な知見が得られています。

たとえばニューロリハにおけるイメージトレーニング、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)におけるPTSDの治療、ミラーセラピーにおける幻肢痛やCRPS(RSD)の治療などが知られていますが、難治性疼痛のために開発されたBFI(ブレイン・フィンガー・インターフェース)もその最たる療法のひとつです。

BFI は「体性感覚刺激による脱感作と再統合法」と定義されており、「術者の手指による繊細な触覚刺激を介して脳の可塑性を促す」という最新の医療技術です。

BFI の臨床効果は「リハに伴う痛みや脱力の裏には脳の情報処理システムの問題が隠れている」ことを示しており、さらに関節拘縮においても同様の可能性を明示しています。
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現代のリハビリテーション医学において「脳の可塑性を考える視点」は、もはや必要不可欠と言っても過言ではありません。その視点の先には「痛みのないリハ」があり、現場サイドの観点からはミラーセラピーの導入が「比較的ハードルが低い」と思われます。その実例をこちらのページで紹介しています。

BFI の効果 
リハに伴う痛みや脱力にBFI を行うと、多くのケースで劇的な回復が認められます。

このことからリハに伴う様々な副次的かつ不安定な現象は、おそらく脳内の痛み回路(痛み記憶を形成する神経回路)が関与しており、その実態は脳代謝バランスの不均衡−小脳、前頭野、視床、帯状回、島皮質等の活動異常−であろうというのがBFIの捉え方です。

BFI はAKA-博田法およびANT(関節神経学的治療法)の技術をベースにして、痛みの成因を脳の次元で捉える視点から生み出されたテクニックであり、開発当初はCRPS(RSD)の痛みを改善させるための技術でした。しかし、結果的にCRPS(RSD)の関節拘縮をも回復させることが分かり、これにより「脳と関節拘縮の関係」に帰結したという経緯があります。

実はCRPS(RSD)に限らず、多くの関節拘縮は脳のシステムエラーに拠る筋協調性の完全破綻と見なす視点があります。拘縮と脳のあいだには密接な関係があると言えるのです。これについては「無意識下情報処理が痛みや関節拘縮を改善させる理由−脳内補完とDMNとミラー療法−」にて詳解しています。


リハにおけるCRPS(RSD)の捉え方
CRPS(RSD)もしくはCRPS(RSD)体質の方に対しては、刺激強度に対する厳重な配慮がなされないと、痛みが増大したり、皮膚の赤みや腫れが発生するということが起こり得ます。
下はCRPS(RSD)における強刺激的介入前後の写真

なかには当該関節を動かすことも、あるいは患肢を触ることすらできない症例があります。そのようなケースではBFI が威力を発揮します。そしてBFI を日常的に使っていくと、成書にある既存のテクニックを使わずとも、拘縮の治療ができることが覚知されます。

CRPS(RSD)が少しでも疑われる症例に対しては、痛みという感覚を起こさせ得るようなリハや治療行為は絶対に禁忌です。この原則に背くと上記写真のような事態が起こり得ます。

どんな状況でも痛みを起こさせないやり方、愛護的なアプローチというものが基本原則となります。患者さんに過度な負担を強いるやり方、痛みを我慢させて行うようなリハは絶対に避けなければなりません。

したがって極めて繊細な感覚入力を利用して直接脳に働きかけるBFI という介入手段はCRPS(RSD)のリハを考える上で非常に大きな意味があります。
CRPS(RSD)画像
サンプル画像
BFI はCRPS(RSD)完全型に対しては無力ですが、CRPS(RSD)不全型に対してはほぼ確実に恢復させることができます(完全型と不全型の実際の症例写真をこちらのページで紹介しています)。


CRPS(RSD)完全型と不全型の違いとは
「完全型or不全型」という概念はCRPS(RSD)の治療を長年行ってきた筆者独自の分類ですが、これは以下に挙げる2つの点を見極めることで、おおよその判断がつきます。

まず一つには、痛み中枢の活性化の程度です。生体は強度のストレスにさらされると脳内環境に一定レベル以下の変化が生じます。その結果、痛み記憶を形成する神経回路(セル・アセンブリ)の過活動−小脳、島皮質、帯状回などを含む−、あるいはボリューム伝達における非シナプス受容体の増殖反応により痛みの感受性が亢進します。

たとえば10段階のうちの「3」レベルの痛み信号が脳に辿り着いたとすると、脳はそれを「9」レベルの痛みとして認識してしまうという状態です。こうした痛み中枢の活性化レベルが非常に高度で、不可逆的な状態に陥っているものがCRPS(RSD)完全型です。

一方で痛み中枢の活性化が比較的軽く、かつ可逆的な状態であれば、CRPS(RSD)不全型ということになります。

もう一つには、交感神経の機能異常という問題があります。運動器系組織における血流の大部分をコントロールしている交感神経が何らかの理由によって機能不全の状態に陥ることがあります。すると局所の腫れや浮腫(むくみ)などが現れ、血流の制御不全が長期に渡ると最終的には「皮膚・筋肉・骨の萎縮」といった病態を呈します。こうした交感神経の機能異常の程度が重度であればCRPS(RSD)完全型、軽度であれば不全型ということになります。

CRPS(RSD)という病態はこの2つの問題―痛み中枢の活性化と交感神経の機能異常―をあえて切り離す視点、すなわち「2つの問題が一個体内において偶発的あるいは何らかの相関反応を伴って同時発生している」という仮の捉え方をすることで複雑な病態を理解しやすくなります。

この2つの次元のどちらか一方でも重度のレベルに達してしまうとCRPS(RSD)完全型となり、現代医学では完治させることが極めてむつかしい…。


完治の可能性を持つ不全型
昨今CRPS(RSD)と診断される症例においては、中等度以下のレベルにとどまっているものが少なくありません。そうしたケースに対しては適切な治療を行えば必ず治ります。

CRPS(RSD)不全型は適切な治療−例えばBFI、あるいは技術精度の極めて高いAKA博田法など−を行えば問題なく治りますが、技術精度の低いAKAや強制的かつ暴力的な治療によって容易に悪化し、すなわち医原性CRPS(RSD)なり治療抵抗性となります。

初期医療において的確な処置をされた上で、痛みの個体差(感受性の違い)を熟知している医療者によってケアされていれば、多少の曲折があっても最終的には必ず治癒するものがCRPS(RSD)不全型なのです。

厳密なデータはありませんが、完全型に比べれば不全型のほうがはるかに多いというのが私の実感としてあります。

ですからCRPS(RSD)の絶対原則−早期発見、早期治療−に従って、少しでもCRPS(RSD)の疑いがある症例に対しては、なるべく早期にBFI を行うことが極めて重要であるというのが、筆者の考えです。

⇒≪CRPS(RSD)を正しく理解するために≫


※お知らせ:一般公開≪特別講演会≫を開催します(講師:BFI研究会代表)。演題は「脳疲労とタッチケア」です。どなたでも参加できますので奮ってご参加ください。

過用性・誤用性症候群
脳卒中などのリハビリにおいても、やはり痛みは最大の阻害因子となります。運動の量が過剰であったり、技術に誤りがあったりすると、痛みのほかに共同運動・痙縮の増大・しびれ・脱力・易疲労性などさまざまな症状が現れてきます。

また痛みを無視して患者さんに努力を強いると、代償運動として強い筋肉だけを使うようになり、弱い筋肉がますます使えなくなってしまうということがあります。

リハ過程において、「痛みが強くなってきた」「全身がだるくなってきた」「最近脱力を感じる」などの訴えがある場合、BFI を行うことで、その後の回復がまったく違ってきます。成書に載っている種々の技術で対応しきれないケースを経験している方には、是非ともBFIを試していただきたいと思います。


BFI は以下の回復期リハにおいて有用な技術であることが臨床的に確認されています。

・関節拘縮
@整形外科手術後…
四肢の骨折ope・足関節靭帯断裂ope・足関節脱臼骨折ope・膝半月板ope・膝前十字靭帯ope・膝後十字靭帯ope・変形性股関節症ope・変形性膝関節症ope・アキレス腱断裂ope・末梢神経障害opeなど

Aギプス固定(保存療法)後 …
四肢の骨折/脱臼・四肢の靭帯損傷・アキレス腱断裂・脊椎圧迫骨折など

B外傷後 …
四肢の打撲/捻挫/挫傷などのけがをした後、治療の有無に関わらず関節が固くなってしまったもの

C骨関節疾患…四十肩(五十肩)・慢性関節リウマチ・変形性股関節症・変形性膝関節症・CRPS(RSD)(肩手症候群を含む)不全型など  【注…CRPS(RSD)完全型はBFI の適応外となります】

・リハ過程における過用性・誤用性症候群(Overwork(overuse,misuse)症候群) 
中枢性麻痺(脳卒中)や末梢性麻痺(顔面神経麻痺・橈骨神経麻痺など)の回復期リハにおいて、痛みの増大、しびれ、関節水腫、筋力低下、脱力、麻痺の回復遅延、痙縮の増大などが起こることがあります。これらの症状も治療対象になります。

BFI の効果(動画映像/youtube)

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